沖野彫刻

「伽藍彫刻師に限らず、無くなっていく昔ながらの仕事は沢山あると思います。必要とする方がいなくなれば、商売が成り立たなくなり途絶えた職業も沢山有ります。伽藍彫刻師のお客様は、お寺や神社を山車を作る人です。あなたの周りで新築のお寺やお宮を建てていますか?なかなか新築のイメージは無いと思いますが、想像以上にお寺の建てかえはあります。住宅は沢山有るので、頻繁に新築している建物を見る機会がありますが、お寺は地区に1件位しか無いので見る機会がありません。しかし新潟県全体では2800件のお寺があります。100年に一度の大修理もしくは建てかえが必要になると考えても年間28棟の工事が必要です。新築しても彫り物が少ないなど仕事量は確実に減っていますが、それ以上に職人が減っています。この技を習得するために修業が必要です。5年の修行期間で基礎が身につきますが、そこからさらに学びが必要になるため、伽藍彫刻師を目指す人が減っている。そして教える側もお金と手間が掛かるため弟子を育てない、などの問題があります。